今はなき朝日ソノラマから当時ザブングルの小説版は発売されました。作は鈴木良武氏でザブングルの原作者です、ボトムズやガリアン、レイズナーなんかにも携わったサンライズロボット好きにはお馴染みの方ですね。
イラストもTV版と同じく湖川友謙氏が担当してます。
●あらすじ
舞台は当然惑星ゾラ、そしてゾラ歴の895年が舞台です。ジロンが親の敵討ちのためにアイアン・ギアーのザブングルを手に入れようとします、
アイアン・ギアー専属のプロポピエフ一座に潜り込みザブングルを奪取!逃亡が始まります。
途中ビックマンに囚われたりしながらアイアン・ギアーにクルーとして正式に乗りこむことになるジロンとサンドラットのメンバー。
当時アイアン・ギアーのクルーだったキッド・ホーラの裏切りにあい無一文になっての逃亡が続きます・・・・途中ビックマンと再び鉢合わせ彼のデラバスギャランを撃退、ビックマンはジロンの仇ティンプを連れてイノセントのドームに逃げ込みます。
アイアン・ギアーもイノセントのドームに進入、なぜかドーム内でプロポピエフ一座の開演が許可されジロンも女装して踊り子として駆りだされます・・・・。
入国管理官ボニル・ボーンはその女装したジロンを見て一目惚れします、モチロン女性と思ってですが・・・。
そんな純粋な彼を利用してドーム内に入り込むジロン達、ボニルはそれ以外にもカシム・キングとアーサー・ランクの関係やビックマン、ティンプの情報をもたらしてくれます。そして可哀想に彼はアイアン・ギアーに行ったせいでビールスに侵され息を引き取るのです・・・気持ち悪いですがジロンは感謝を込めて彼にキスをシます。(もちろんこの時女装してます)
ボニルの情報をモトにビックマンを探しだすジロン、ティンプも現れドンパチの後管制室にマギれこみます。そこではロケットの秒読みの最中、ジロンは勝手に発射ボタンを押しロケットは地面に激突ドームは大爆発を起こします。
ジロン達はアイアン・ギアーで間一髪逃げ出し”お尋ね者”として逃亡します。
そんな中1艦のランドシップとランドシップごと交換することになります・・・お尋ね者のジロンたちは大喜びで艦ごと交換”アイアン・ギアーⅡ世”と名付けられたこの艦には興味深いものがアリました。
それは未開地エリアの地図・・・誰も脚を踏み入れない地域の地図です、ジロン達はそこに逃げこみます。
見たこともない高層巨大建造物が目の前に立ちはだかります。ジロンたちも興味津々・・・そんな中宿敵ティンプが現れます。
ジロンとティンプは決着をつけるべくウォーカーマシンで決闘に望みます。決着はなんとジロンの投げた火炎瓶がティンプのウォーカーマシンのコクピットに命中、慌てて飛び出してきたティンプはつまずき転んで打ちどころが悪絶え果てる・・・スゴイ最後です・・。
アイアン・ギアーは周囲を他のランドシップに囲まれ身動きでイない状態、しかし意外なことにキッド・ホーラが彼らのピンチに手を差し伸べます。
彼は地球に逃げることを提案、シャトルに乗りこみ生まれて初めての宇宙に興奮するジロン達の前に人工衛星が接近します。
そこに待っていたのはカシム・キング、ホーラにハめられたのです。監禁されるジロン達・・・しかしア今度はーサー・ランク派のイノセントが助けに現れます。
アーサー・ランクは同じ人工衛星に軟禁されていました。彼に面会するジロン達、しかし再びカシムの手に落ち後は処刑を待つばかりとなります。最後の望みとしてプロポピエフ一座の公演をさせてもらうことに・・・ジロンはボニルの件もありイノセント達が女性に免疫がナイことを思い出し色気満載のステージを展開します。
カシム派のイノセント達で埋まる会場のステージ、隙を見て最前列のカシムやホーラに跳びかかり場内は大混乱になります・・・プロポピエフ一座の踊り子たちの方は全裸になりイノセント達は慌てふためきます。
カシムとホーラを片付けたジロン達はアーサー・ランクを助け出し彼は全イノセントに向け”ドームの開放”や”アイアン・ギアーへの懸賞金取り消し”などのメッセージと発信します。
そしてゾラに戻ったアイアン・ギアー一行は以前そんなにかわりない生活を淡々と送っている・・・と言った内容・・ちょっと長いですね・・。
ストーリーはTV版とは大幅に違います、下巻になるともう別物といってイイ良い感じ、ジロンの一人称で語られ物語の進行もゆっくりしてます。ザブングルは後半になるとちょっとしか出て来ませんしね・・・。
”プロポピエフ一座とジロン達の活劇”として描かれておりラストはザブングル以前の企画”エクスプロイター”のSFの要素も盛り込まれてます。
作者の鈴木良武氏はザブングルの原作者で同作の脚本も”五武冬史”名義で9本書かれてます、ただ小説は今回初挑戦!一人でコモっての作業は大変だったとのこと。
後年ご自身でこの小説についてはイイ評価をされてますね。
小説はザブングル製作中の2クール(26話くらい)から執筆が開始されます。つまりTV版の脚本を書きながら小説版も書かれていたということです。
イラストはTV版のキャラクターデザイン、作画監督チーフの湖川友謙氏が担当されてます・・・小説ではキャラクター、メカニックは別物のはずですがTV版そのままのデザインで描かれてます。
湖川さんのイラストはいつもラフすぎの気がするな・・・安彦良和さんくらい描き込んでくれると嬉しいけど。
●TV版との違い
シビリアン:
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