戦闘メカザブングルは1982年/昭和57年2月6日～1983年/昭和58年1月29日まで放送された日本サンライズ（現サンライズ）制作のロボットアニメーション、放送時間は土曜日17：30～18：00でした。

”戦闘メカザブングル！　怒涛（どとう）のごとき新作です。”なんて予告が放送開始前の1982年の年明けあたりから流れてましたっけ。ちなみに前番組は「最強ロボ ダイオージャ」という”ロボット版水戸黄門”アニメでした。

舞台は「3日逃げ切れば全ての犯罪は免罪。」というかなりさっぱりとした掟がある惑星ゾラ。
そこでその掟を無視して突っ走る主人公ジロン・アモスがウォーカーマシンを操り最終的に惑星全体の変革にまでみんなを巻き込んでいく・・・そんなお話です。

監督は富野由悠季、今作品から富野喜幸から改名した「機動戦士ガンダム」で知られる超有名監督です。
本作は映画「機動戦士ガンダムⅢ・めぐりあい宇宙」と映画「伝説巨神イデオン」の2作品が並行した状態にあったそうです。
う～んどう考えてもスケジュールが大変そう・・・・そこで彼の密かな決断がこのザブングルのカラーを決定づけます。

”ちょっと作品に対してのんびり距離をとって作ってみよう！！”

これによってザブングルは今までのシリアスで思慮深い富野作品とは違い”コミカルで元気いっぱい”のある意味異色作として登場するんです。

富野作品のように人がバタバタ死んじゃうなんとコトもありません、なんなら主人公が"アニメだから簡単に死なない"なんて叫んだりします。
主人公ジロン・アモスも丸顔でそのため”土饅頭””メロンアモス”なんてバカにされたりそんなにかっこ良くない・・・でもキャラクターたちが画面狭しと動きまわり魅力的な世界を作っていきます。

本作製作中、富野監督は宮崎駿の「ルパン三世・カリオストロの城」を大いに意識したそうでスタッフにもこの感じを出せと激を飛ばしてたそうです。

作品で活躍するウォーカーマシン（ガンダムで言うモビルスーツです・・）はガソリンで排気ガスを出しながら動きます、主人公メカであるザブングル、ウォーカー・ギャリアなんかはハンドルで操作します・・・これもそんなにカッコ良くない・・・。
主人公たちのランドシップ（ガンダムで言うとホワイトベースです・・・）もウォーカーマシンに変形して敵を踏んづけたりする・・・これもヘン・・・。

特に主役メカザブングルは世界観に合わず主役メカの座から降ろされるという前代未聞の対応が取られます。

”戦闘メカザブングル”というタイトルなのに主人公ジロンはウォーカー・ギャリアに乗ってて脇役がザブングルに乗ってる・・・・後に出てくるパターンなんですが本作が最初であったため見てて変わってんな～と子供心に思ってました。

ガンダムのように超有名作品でもなくイデオンのように突き抜けた作品でもありません、でも本作はそれを吹っ飛ばす勢いと楽しさで突っ走って行く愛すべき作品になってます。